同志社大学 生命医科学部 抗加齢医学研究室 アンチエイジングリサーチセンター
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米井嘉一が考える抗加齢医学とは

TOP米井嘉一が考える抗加齢医学とは抗加齢医学に基づく医療 

▌ 抗加齢に基づく医療

抗加齢医療では、徹底した身体の老化度チェックから始まります。血液中のホルモン検査、骨密度、体脂肪の測定、心肺機能検査、動脈硬化度の 5 つで、いずれも加齢とともに変化のあるものを重点的に行います。オプティマル・ヘルスに達しないサブ・オプティマルな項目をチェックして、健康長寿を目指すため弱点を見つけることが、抗加齢医学医療の大切な第一歩です。

抗加齢医療の基本は、食事療法 (サプリメント療法も含む) ・運動療法・精神療法の 3 本柱です。ホルモン補充などの薬物療法は、これらの次として位置付けています。アンチエイジング(老化度判定)ドックの検査結果に基づいて弱点が何であるかを判断し、下記の基本療法を指示していきます。これらの基本療法の中で、何よりも大切なことが、「いつまでも若く元気にいこう」という気力 (スピリット) を持つことです。

〔1〕食事療法

抗加齢医学では、食事療法の目的として、(1)生活習慣病の予防(2)成長ホルモンの効果を生かす(3)免疫機能を高める(4)抗酸化作用のある食物の摂取をあげています。
抗加齢医学による治療の効果を最大限に高めるためには、血糖値を低めに維持することが課題です。インスリン様因子-I(IGF-I)と呼ばれる健康を保つのに必要なホルモンのレベルを高めるために、内因性成長ホルモンの分泌を促進したり、外から成長ホルモンを投与したりします。

インスリンはこのインスリン様因子-I(IGF-I)の産生を抑制するので、食事管理によって血糖値のコントロールを厳格に行う必要があります。基本的には低カロリー食とします。肥満は成長ホルモン放出の妨げとなるので、適性体重を維持するよう心がけます。

運動量と適正体重から計算されるエネルギー摂取量を守ることは極めて重要です。これを長期的に行うことによって、エネルギー消費と糖代謝を安定させることができます。高アミノ酸食品は成長ホルモンの放出を促進するので、良質のタンパク質を多く摂取する必要があります。糖質やでんぷん質を多く含む食品は、急激なインスリンの分泌を促すため、その割合いを減らすべきです。脂肪や塩分の過剰摂取にも注意します。

〔2〕運動療法

日常生活において、家事や散歩などで体を動かすことは、最も基本的な運動療法です。運動療法の基本は、(1)負荷トレーニング:筋力トレーニング(2)有酸素運動:ジョギング・ウォーキング・エアロビクス(3)柔軟体操の 3 種類をバランスよく行うことが重要です。

これらをうまく組み合わせることによって、「体脂肪とコレステロールを減少させる」「成長ホルモンのレベルを高める」「骨密度を高める」「筋力を増強する」「怪我を減らす」「日常の動作を容易にする」「感情を安定させる」「筋肉の萎縮を予防する」「容姿を改善する」「体脂肪を減らす」といった効果が望めます。

〔3〕精神療法

加齢にともなう意欲低下、抑うつ状態、神経症、緊張、ストレスの蓄積、睡眠障害などの症状に精神療法は欠かせません。特に身体の免疫システムと密接に関係するストレスにうち勝ち、若々しい気持ちを保つことが大切です。 精神療法がもたらす最大の「果実」は、自分自身で生きようとする意志、健康でありたいという願いを自分の中にしっかりと作り上げることです。

〔4〕サプリメント療法

健康的な食生活をしていると思われる人でも、各種ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸、抗酸化剤などを摂取することは必要だといわれています。市販されているサプリメントの質や成分はじつにさまざまで、なかには、低品質な成分や吸収性の悪い成分、安価な栄養素を含んでいるものもあって、サプリメントの選択にはある程度の知識と慎重さが必要です。

サプリメントの選択に関しても医師に相談することができれば、まがいものをつかまされたり、効果のうすいサプリメントを高値で買わされるようなことを防ぐことができます。抗加齢医学では、医師もサプリメントについての知識をもつ必要があると考えています。

〔5〕美容療法
見た目の若返りも精神的にはプラスに作用します。美容療法については「永遠美人」をご参照ください。

〔6〕薬物療法
抗加齢医学における薬物療法としては、抗酸化療法・免疫強化療法・ホルモン補充療法があります。これらの薬物療法は、基本的には食事・運動療法、精神療法を十分に行ったうえで、必要に応じて施行されるべきです。

※基本療法の詳細は「抗加齢医学入門」 に詳しく書かれています。


■ 基本療法の指導例

血液検査の「空腹時インスリン値」が 5μU/ml 以上であれば、インスリン低抗性が上昇したサブ・オプティマル状態と判断します。運動療法、インスリンの過剰分泌を防ぐ食事を指導すべきでしょう。コルチゾルが高値であれば、ストレスが過剰と判断して、ストレス対策を練ります。精神的ストレスの対処法については、さまざまな方法が提案されています。

ホモシステイン値が高値なら、動脈硬化の進展を防ぐために、ビタミンB群および葉酸の摂取を指導します。動脈硬化の過程には、さまざまなフリーラジカルによる酸化作用が関与します。補酵素 Q-10 を始めとする抗酸化作用を有する成分をサプリメントとして補うことも重要です。

IGF-I 値が低ければ、脳下垂体からの成長ホルモンの分泌を促すために、睡眠の質を考え、ストレスや運動不足を解消し、食事やサプリメントの指導をします。骨密度は、50 代から通常は低下していきます。加齢に伴う変化をそのまま受け入れるのではなく、できるだけ 30 〜 40 歳レベルの骨密度を保つことを目標にするわけです。高次脳機能検査にて脳神経系の弱点を指摘された方は、「最近、物忘れが多い」という人と同様に、脳の老化を防ぐことが重要になります。

詳細については、「脳が老化する人、しない人」をご参照ください。また、見た目も若返りも精神的にはプラスに作用します。美容療法については「永遠美人」をご参照ください。

 
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